北陸電力は2025年3月期の連結決算で、営業収益と当期純利益が過去最高を記録しました。
しかし、能登半島地震と奥能登豪雨による設備損傷額が650億円に達し、今後の業績やエネルギー政策への影響が懸念されています。
当記事では、北陸電力の業績概要、自然災害による損害、環境対応策、来期の業績予想、そしてネット上の反応を紹介します。
北陸電力の業績概要:営業収益と純利益が過去最高を更新
2025年3月期の連結決算によると、北陸電力の営業収益は8,582億円で、前年から500億円増加し、過去最高を更新しました。
また、当期純利益は651億円で、前年から83億円増加し、こちらも過去最高となりました。
一方、経常利益は913億円で、前年から減少しました。
これらの結果は、石炭などの原材料価格の安定や寒波による販売電力量の増加が要因とされています。

能登半島地震・奥能登豪雨による設備損傷:総額650億円の影響
北陸電力は、能登半島地震と奥能登豪雨による設備損傷額が合計650億円に上ると発表しました。
これは、前年の610億円から40億円増加したことになります。
具体的には、七尾大田火力発電所の修繕や、地震で3,000本、豪雨で330本の電柱が傾いたり折れたりするなど、大規模な被害が発生しました。
松田光司社長は、
「立て替えが必要な電柱が1,900本残っている。1日も早く復旧したいが、路肩の崩れなどで難しい面もあり、長丁場になりそうだ」
と述べています。

環境対応と火力発電所の見直し:石炭1号機の廃止延期とLNG2号機の計画
富山新港火力発電所について、北陸電力は石炭1号機の廃止を2028年度に延期することを発表しました。
これに対し、環境大臣が遺憾の意を示しましたが、松田社長は、
「供給が不安になるのは大変電力供給上問題があるので、廃止を延ばさせていただきたい。ただ、石炭の稼働は相当程度落とすと約束しているし、CO2排出量を会社全体で減らすことを着実に実行したい」
と述べています。
また、LNG2号機を2029年度に着工し、2033年度の運転開始を目指すとしています。

来期業績予想と今後の見通し:減収減益の予想とその背景
北陸電力は、2026年3月期の通期業績予想として、営業収益を7,800億円、当期純利益を300億円と、減収減益を見込んでいます。
これは、燃料費調整額の減少や、自然災害による設備損傷の影響が続くことが要因とされています。

ネット上での反応と声:地域住民や投資家の関心
北陸電力の決算発表に対し、ネット上では様々な反応が見られました。
地域住民からは、
・「早期の復旧を願う」
・「電力供給の安定を期待する」
といった声が上がっています。
また、投資家からは、
・「過去最高益は評価できるが、自然災害の影響が懸念材料」
との意見が見られました。
環境団体からは、石炭火力の廃止延期に対する批判的な意見も出ています。

まとめ:過去最高益の達成と今後の課題
北陸電力は、2025年3月期に過去最高の営業収益と純利益を達成しましたが、能登半島地震と奥能登豪雨による設備損傷が650億円に達するなど、自然災害の影響が大きく、今後の業績やエネルギー政策に課題を残しています。
石炭火力の廃止延期とLNG2号機の計画など、環境対応と電力供給の安定を両立させる取り組みが求められています。
地域住民や投資家、環境団体など、様々なステークホルダーの声に耳を傾けながら、持続可能なエネルギー政策を進めていくことが重要です。
当記事は以上となります。
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